物性研究所計算物質科学研究センター (CCMS; Center of Computational Materials Science) は、文部科学省の推進するHPCI 戦略プログラム(H23-27)のため、H23 年4 月に設置され、5年間の活動を実施してきました。H28年度から新たな活動を開始するにあたり、これまでの総括と今後の展望をお伝えします。
HPCI 戦略プログラムの最大の特徴は、超並列計算を駆使した科学・技術の振興のために、物性、分子、材料分野を融合したネットワーク型のコミュニティー「計算物質科学イニシアティブ」(Computational Materials Science Initiative、以下CMSI)を形成したことです。CMSI は物性研究所、自然科学研究機構分子科学研究所、東北大学金属材料研究所を中核拠点、産業技術総合研究所、物質材料研究機構を産官学連携拠点、東北大学、東京大学、金沢大学、豊橋技術科学大学、総合研究大学院大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学を教育拠点とし、さらに個人参加の研究者を加え、中核メンバーは117 名、コミュニティーメンバーは1,000 名を超えました。主催した研究会やシンポジウム等への行事参加者のべ人数はH27 年12 月時点で11,123 名となり、物質科学分野に大きなインパクトを与えています。